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被災昆虫標本を修復

(読売新聞 2011/06/26)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news/20110626-OYT8T00104.htm
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陸前高田の409点、汚れ除去

a0204701_12455741.jpg昆虫標本を修復する中村准教授(弘前大学白神自然環境研究所で)  東日本大震災の津波で岩手県陸前高田市立博物館の昆虫標本は、泥まみれになった。岩手県教委が「元に戻したい」と全国各地に依頼していることを知った弘前大学白神自然環境研究所(弘前市)の准教授、中村剛之さん(44)(昆虫分類学)。学芸員時代の標本管理を思い出し、「被災地の貴重な財産だ」と無償で修復を引き受けた。一点ずつ汚れをピンセットで取り除く緻密な作業。こつこつと指を動かしている。

 (佐藤純)

 陸前高田市教委によると、3月11日の大震災で、市立博物館は2階建てのほぼ全体が津波にのまれ、6人の職員全員が死亡・行方不明となった。保存している昆虫標本は約3万点。流失は免れたが、泥や海水の塩がこびりつき、カビが生えた標本も少なくない。

 岩手県教委は、早期に修復しないと損傷が進み、標本として使えなくなると判断。県単独で元に戻すのは長期間かかるとして、全国各地の博物館などに復元に協力してほしいと呼びかけた。その結果、弘前大学と青森県立郷土館(青森市)の県内2か所を含む全国20施設で修復されることになった。

 中村さんによると、弘前大学には今月13日、陸前高田市で1990年代以降に採取されたチョウやトンボ、ガの標本計409点が送られてきた。チョウのクロシジミやヒメシロチョウなど、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種となっている昆虫の標本もある。

 99年から2010年まで栃木県立博物館で学芸員を務めた中村さん。大事な仕事の一つが昆虫標本の管理だった。標本は地域の生態系を示すもので、自然保護に必要な貴重な資料。中村さんも入会している昆虫担当学芸員協議会からのメールで、岩手県教委が標本の復元に協力してくれる専門家を探していることを知り、「標本が元に戻れば地元の学芸員の励みにもなるはず」と快諾した。

 研究室に一人こもって、中性洗剤の入れた水を容器に入れ、そこに標本を浸す。顕微鏡をのぞきながら、チョウはピンセットや筆で少しずつ汚れを取り除き、自然乾燥させる。ちぎれた羽はのりで慎重にくっつけ、一点あたりの復元に平均30分ほどかけて、これまで二十数点を修復した。

 チョウは水に浮きやすく、羽の毛は粉のように取れやすい。さらに、そのまま水に浸すと、羽が丸まってしまうため、自費で購入したプラスチック製のケースを土台に、あらかじめ羽を広げて固定するなど、工夫している。

 1年の期限で標本を預かった中村さんは「陸前高田市を記録する大切な資料。すべての標本を丁寧に修復し、後世に残したい」と話している。

(2011年6月26日 読売新聞)

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災害にあうも、標本は残される。(by parnassus7)
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by parnassus7 | 2011-06-26 12:44 | 博物館
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