(読売新聞 2011/07/07)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20110706-OYT8T01006.htm ========================================== 三峰川上流域 ニホンジカ食害影響 伊那市の南アルプスの三峰川上流域で2009年以降、絶滅危惧種のチョウ「コヒョウモンモドキ」の生息が確認できなくなっている。信州大の中村寛志教授(昆虫生態学)らの研究グループの調査で分かった。中村教授は幼虫の餌となる植物をニホンジカが食い荒らした影響と分析している。 タテハチョウ科のコヒョウモンモドキは黄褐色の羽に細かな黒褐色の斑紋がある。羽を広げると約3センチ。幼虫はゴマノハグサ科のクガイソウを食べる。生息地は山地の沢沿いの草原など。 個体数は山林開発などの影響で減少し、近年は本州中部の長野、群馬、山梨、岐阜の4県でのみ確認されている。長野県では南アルプスのほか、北アルプスや湯の丸高原(東御市)などで生息が確認されているが、他の3県では姿を消す寸前とされ、環境省のレッドリストでは絶滅の危険が増大している「絶滅危惧2類」に指定されている。 中村教授らの研究グループは、シカの食害対策に取り組んでいる県や伊那市、信州大農学部教授らでつくる「南アルプス食害対策協議会」の委託を受け、09年、希少なチョウ類に与えるニホンジカの影響について調査を開始した。標高1300~1510メートルの三峰川上流域の林道を調査ルートに設定し、09年と10年、目撃したチョウの種類と個体数を記録。02年のデータと比較し、植物が食べられている状況も定点観測した。 その結果、02年に31個体が確認されていたコヒョウモンモドキの成虫は全く確認されず、02年に確認されたクガイソウも、動物に食い荒らされて確認できなかった。食い荒らされた地点はニホンジカの通り道に近く、ニホンジカの足跡も確認。食害でコヒョウモンモドキが姿を消したとみられると結論付けた。 県野生鳥獣対策室によると、ニホンジカによる農林業被害は1970年代半ば頃から顕在化し、2009年度の県内被害額は7億957万円に上る。大鹿村や伊那市などの南アルプス地域での推定生息数は、1998年には1万5800頭だったが、2008年は3万3700頭に倍増している。 クガイソウ以外にも、ヒヨドリソウやフジアザミもシカの食害に遭っており、花の蜜を吸うチョウへの影響が心配されている。一方、マダラチョウ科のアサギマダラの幼虫の食草となるイケマは、毒性があるため食害に遭わず、逆に増えていることも分かった。 中村教授は「生態系のバランスが崩れるメカニズムが分かった。シカの管理方法を考えていく上で重要な調査結果だ」と指摘している。 ========================================== ええ!コヒョウモンモドキまでが・・ニホンジカ ノーッ!!!! 奥日光でのコヒョウモンモドキ絶滅原因もシカとされていましたね(by parnassus7)
by parnassus7
| 2011-07-07 00:43
| タテハチョウ亜科
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